あなたと創るデジタル社会
デジタルは手段であって道具に過ぎません。 令和2年12月25日に閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」にも 「単なるデジタル化ではなく、業務改革(BPR)を前提とし、」 「行政機関内のバックオフィスも含めたプロセスの再設計を行い、」 「各府省は、業務改革(BPR)の検討のための負担増を敬遠したり、 業務改革(BPR)を後回しにしたりするのではなく、国民、企業等にとって より良い行政サービスを実現するため、必要な体制を整備した上で、 計画的に取り組む。」 とありました。 大変素晴らしいことと感じ入りました。 なのですが、小輩が少なからず注目している次の項目の当該計画でのKPIは、 以下のとおりでした。 「地方公共団体における業務プロセス・情報システムの標準化の推進」 「KPI:対象業務に対して、実際に標準仕様が作成された業務の割合 KPI:標準仕様が作成された業務における当該標準仕様が利用された 情報システムを利用する地方公共団体の割合 KPI:地方公共団体の情報システムの運用経費等(2026 年度(令和8年度) に2018 年度(平成 30 年度)比で少なくとも3割削減。更なる削減 目標の上積みを目指す)」 このKPIでは業務改革(BPR)の度合いが測れないのではないかと危惧しています。 標準仕様を纏めるのも大変なご苦労があるものと推察いたしますが、 このKPIでは、極端な話、自治体の現状の(旧来の)業務プロセスを標準化して、 その仕様に基づいた旧来の業務プロセスを実現する新情報システムが開発されて、 自治体はそれを利用せざるを得なくても、KPIは達成、となりかねません。 まさに手段が目的化しないか、心配されるところです。 より重要な指標は、いかに行政の業務改革がなされ、いかに国民にとって 行政サービスが良くなるか、なのではないでしょうか。 繰り返しますが、デジタルは手段であって道具に過ぎません。 自治体の情報システムに限らず、 単に新しい道具を入れるのがデジタル改革ではないはずです。 大変僭越ながら、ご留意願えれば幸いです。