あなたと創るデジタル社会
ある省庁システムの運用設計担当でした。その時の経験を踏まえ投稿します。 【私が経験した現状】 ・省庁職員のシステム調達スキル欠如 一般的な省庁職員は業務は理解していても専門技術やシステム開発プロジェクトマネジメントを理解している人が極めて少なく、コンサル・ベンダー頼み。 ・官僚機構とシステム調達業務の不適合さ 工程毎に所掌課室が異なりウォーターフォール開発(各工程の壁は組織の壁でもある)のため、工程毎に人・情報が分断され、課題が露見した頃には手遅れ。スケジュール厳守で手戻りすることすら許されず、不便なシステムができる。官僚機構自体がウォーターフォール的ではありますが、ITの世界に官僚機構のロジックを持ち込み続けていてはDX時代に対応した省庁システムは実現不可能だと思います。 【アイデア】 上記の課題を抱えたままではデジタル庁が出来てもまともなシステムはできないと思います。上述の課題を短期間で解決するには組織と文化の両方を明確に変える必要があると思いますので、デジタル庁及び各省庁に以下を期待したいです。 ・組織改革 ・デジタル庁の所掌を予算及び各省庁への勧告に留めず、重要度が高いプロジェクトについては企画、設計、開発(監督)、評価、運用すべての工程・主要担当職員を各省庁から一時的に集約、プロジェクト主体として機能させ、政府全体のシステム調達能力の向上を図る。 ・具体的には調達案件毎にデジタル庁及び各省庁から集約した職員全員がシステム調達の目的を明確に共有し推進していくためのチームをデジタル庁直轄で組織する。 →集約による効果として、デジタル庁内での人材交流、知識の共有が可能になり、プロジェクトレベルの高度化効率化や省庁職員自身のスキルアップも期待できます。集約が難しい場合もリモートでプロジェクトに参加することは可能なので、併任等を活用しプロジェクトに全ての主要な担当職員が参加する体制とします。 ・文化改革 ・官僚機構はシステム調達には不向きなことを理解し、各省庁がDXを実現するための組織の壁を超えたチームが集う場所としてデジタル庁が機能する。 (予算を握るだけの組織では各省庁の反発は必然になってしまいます) ・プロジェクトの成果物を各省庁は最大限尊重し活用していくことでシステムの価値を最大化する。 浅はかな私の理想ですがデジタル庁への期待を込めて…