あなたと創るデジタル社会
データファイルを複数に分割する技術として、「秘密分散技術」があります。 1970年代にシャミア博士が唱えた技術で、2017年には、ISOにより国際標準化(ISO/IEC 19592-2:2017)されました。 この技術は暗号化と異なり、データファイルを複数の断片に分割し、断片の一つから元情報を類推することをできなくします。 例えば、3つに分割し、それぞれを異なるオンラインストレージサービスに保管することで、より情報漏えいのリスクを下げることが可能です。 ハッカーが、オンラインストレージサービスをアタックし、データファイルを取得されても、ただの断片ファイルで元情報はわかりません。 これからのデジタル化時代において、よりセキュアなデータ保全対策が必要であり、その一つが「秘密分散技術」ではないでしょうか。 例えば、遺言書のデジタル化において、複数に分割した遺言ファイルを弁護士、公証人、家族等で保管することもできます。 企業、団体における機密文書も、複数に分割し、ネットワークから切り離した状態、例えば役員が管理する金庫等に保管することで、情報漏えいのリスクを限りなく、避けることが可能でしょう。 今後も多くなるだろう最近発生したハッカー集団による企業恐喝対策にも、データを複数に分割し、異なる保存対策(すべてをオンライン上に保存するのではなく、分割した一つの断片データファイルは、オフライン上に保存する)をすることで、ネットワークを介した犯罪対策にも「秘密分散技術」が有効だと思います。